<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 秦中吟十首 不致仕>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 漢文有假名>
<style2: 日本漢文訓讀附假名標注>
<TranslatedTitle: 不致仕>
<BookPage: 139-140>
<UsedPage: 2>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
七十而致仕，
禮法有明文。
何乃貪榮者，
斯言如不聞。
可憐八九十，
齒墮雙眸昏。
朝露貪名利，
夕陽憂子孫。
挂冠顧翠緌，
懸車惜朱輪。
金章腰不勝，
傴僂入君門。
誰不愛富貴，
誰不戀君恩。
年高須告老，
名遂合退身。
少時共嗤誚，
晚歲多因循。
賢哉漢二疏，
彼獨是何人。
寂莫東門路，
無人繼去塵。
<End Poem>
<Translation>
七十（しちじふ）にして致仕（ちし）するは、禮法（れいはふ）に明文（めいもん）あり。なんぞすなはち榮（えい）を貪（むさぼ）る者（もの）、憐（あはれ）むべし八九十（はつくじふ）、 齒（は）堕（お）ちて雙眸（さうばう）昏（くら）し。朝露（てうろ）に名利（めいり）を貪（むさば）り、夕陽（せきやう）に子孫（しそん）を憂（うれ）ふ。冠（くわん）を挂（か）けんとして翠綾（すえすえ）を顧（かへり）み、車（くるま）を懸（か）けんとして朱輪（しゅりん）を惜（をし）む。金章（きんしゃう）に腰（こし）勝（た）へず、傴僂（うる）して君門（くんもん）に入（い）る。誰（たれ）か富貴（ふうき）を愛（あい）せざらん、誰（たれ）か君恩（くんおん）を戀（こ）はざらん。年高（とした）くればすべからく老（らう）を請（こ）ふべし名（な）逐（と）ぐればまさに身（み）を退（しりぞ）くべし。少時（せうじ）はともに嗤銷（しせう）し、晚歲（ばんさい）おほくは因循（いんじゅん）す。賢（けん）なるかな漢（かん）の二疏（にそ）、彼（かれ）ひとりこれ何人（なんびと）ぞ。寂寞（せきばく）たり東門（とうもん）の路（みち）、人（ひと）の去塵（きょぢん）を繼（つ）ぐなし。
<End Translation>